子どもを連れて行ける市内のスポットの紹介をはじめ、子育て支援施設などもご案内します。
認定こども園かすが花の子園は、JR福知山線黒井駅から徒歩8分のところにあります。スーパーマーケットや市役所の庁舎も近くにあるほか、北側すぐには登山スポットとして人気も高い黒井城跡のある猪ノ口山があり、自然豊かな環境と適度な利便性のある環境が両立しています。
平成27年、公立の黒井幼稚園・船城幼稚園、私立の明徳保育所の3つの施設が一つに集約されて開園した幼保連携型認定こども園で、同時に竣工された扇型の園舎も特徴的です。正面には「かすが花の子園」の園名の下に「花の子文庫」の文字も。一体どんな取り組みが行われているのでしょうか。
この日は園の夏まつりの日。5歳児クラスが中心となり、4歳児クラス・3歳児クラスの園児たちをお客様に、様々な楽しい催しを行っていました。コロナ禍でしばらく控えていた異年齢交流も、2023年度から少しずつ復活させています。園児が自ら企画・運営に携わる夏まつり。オープニングアクトも、例年は先生方の出し物でしたが、今年は5歳児クラスの園児たちから「自分たちでやってみたい」と声が上がり、じゃんけんゲームやダンスの披露がありました。
出店コーナーでは、定番人気の人形すくいのほか、ガチャガチャを回したり、サイコロを振ったり、くじ引きの要領で紐を引っ張ったりして、景品が当たるというような楽しいコーナーが設置され、それぞれ5歳児が店員を務めました。客引きをしたり、年下の園児たちに遊び方や選び方を教えたりと、お兄さん・お姉さんぶりを発揮する5歳児さんの頼もしい様子が見られました。
夏まつりが開催されていた「花の子ホール」奥から抜けると、扇型に0歳児~5歳児の部屋が並んでいます。弧の部分には3歳児~5歳児の部屋があり、内側にカーブを描いているのでお互いの部屋に遊びに行きやすく、交流もしやすそうな構造です。それぞれのクラスから中庭にすぐ出られるようになっていて、活動の幅が広がります。
そして玄関から正面すぐに見えるのが広い絵本コーナー。向かいにある子育て支援室にも絵本がいっぱいあります。蔵書数は実に14,000冊。絵本コーナーには、絵本作家としても知られる木の造形作家・松村太三郎さんの作品が設置され、ユニークな木の作品に囲まれながら絵本を楽しむことができます。
絵本は心の宝物。かすが花の子園では、絵本保育に力を入れています。日常の活動の中で先生方が数多く子どもたちに読み聞かせるのはもちろん、絵本コーナー専門の先生がいて、季節ごとに蔵書を入れ替えて子どもたちの目を楽しませたり、専門の先生ならではの楽しい読み聞かせをしてくれたりと、子どもたちが絵本を好きになるしかけもいっぱい。かすが花の子園に通う子どもたちは絵本、ひいては読書を好きになる子も多く、多くの実りを園で得ています。
多彩な蔵書の恩恵を受けられるのは、実はかすが花の子園に通う園児だけではありません。豊富な絵本は実は、登録すれば誰でも貸出可能。「花の子文庫」として毎週土曜日に貸出日を設けています。さらに、毎週読み聞かせ会も開催されるので、地域の人や卒園生はもちろん、地域外から花の子文庫に訪れる親子も大勢います。返却は開園時であればいつでも可能という柔軟さも、地域内外から親しまれている理由の一つです。絵本を通して親子の関わりを楽しみたい方、かすが花の子園の様子を見てみたい方には特におすすめの機会です。
絵本保育の他には、4・5歳児向けに表千家の本格的なお茶席を楽しむ時間があり、5歳児向けには日本人・外国人講師による英語教室も行うなど、多彩な活動が行われています。また園外では、近くにある兵主神社などを中心に自然を感じる散歩コースを楽しみ、また黒井駅に電車の観察に行くことも多く、バランスの良い立地を存分に活かして保育が行われています。
卒園後、多くの園児は丹波市立黒井小学校・船城小学校へ入学します。運動会や音楽会などのイベントに園児が参加するほか、かすが花の子園の園長先生と両小学校の校長先生との連携も頻繁に取れているので、状況の共有も密に行われているので小学校への移行もスムーズです。
ユニークな園舎と豊富な絵本、自主性を重んじる保育・教育理念。かすが花の子園への入園を考える人は是非、「花の子文庫」の利用を検討してみてください。
●花の子文庫
貸出日…毎週土曜日10時~12時(園の行事等で変更になる場合があります)
読み聞かせ…10時半ごろから
親子のふれあいに、ぜひご利用ください。