
子どもを連れて行ける市内のスポットの紹介をはじめ、子育て支援施設などもご案内します。
丹波市氷上地域にある丹波市立植野記念美術館は、遠くからも目をひく重厚な建物で、氷上地域のシンボルともなっています。こどもの頃に遠足や、学校行事で訪れた方も多いのではないでしょうか。
1994年に開館して以降、様々な芸術品の展示や企画展などを行っており、伝統的、歴史的な展示物はもちろん、最近では手塚治虫展や、ジブリ作品を手がけた山本二三展など、こどもから大人まで楽しめる展覧会を開催しています。
とはいえ、どうしても敷居が高く入りにくいと感じてしまう美術鑑賞。小さなこどもづれだとなおさら足も遠のきます。
そんななか美術館側としても「家族みんなでもっと気軽に利用して欲しい」との願いから定期的にこども向けのイベントを行うようになりました。
およそ月に1回行われている「うえびひよこつあー」では、0才〜6才の未就学児を対象に、美術館巡りをするというもの。サポートスタッフが同行のもと、30分から40分かけて館内をゆっくりお散歩します。
作品の鑑賞というよりも、まずは美術館自体を知ってもらう、見てもらうのが目的です。
石造りの床や柱に触れて、その硬さや冷たさ、なめらかさに興味を持つ子や、広々とした階段の上り下りに夢中になる子、厳かな雰囲気を感じ取るのか急に静かになる子など、それぞれの興味関心で美術館という空間を楽しむそうです。
場所に慣れてきたら作品に目が向くこどもも出てくるので「この絵にはお山が描いてあるね」「キレイなお花だね」などスタッフが話しかけながら、少しずつ作品にも興味を持つきっかけを作っています。
「こどもが騒ぐから...」と心配していた親御さんも、こどもの目線に合わせてくれるプログラムなのでひと安心。またこのツアーでは毎回限定5組まで一緒に回るので、年の近いこどもとの交流を見ながら成長を感じたり、こどもの感性を知ることができるのも嬉しいところ。こちらは予約制なので参加希望の場合はお早めにホームページなどからお申し込みを。
また、およそ2週間ごとに行われている「うえびファミリーDAY」では、スタンプラリーならぬシールラリーを開催。果物の名前のついた展示室を探して、楽しみながら館内を散策してもらおうというイベントです。これからは謎解きクエストも導入され、より一層、こども達を楽しませる工夫をしています。シールラリーは小学生以下、謎解きクエストはどなたでも予約不要でご利用いただけます。
意外と知られていないのが兵庫県在住の小中学生は入館無料ということ。学校で配布される「ココロンカード」を提示すれば、何度でも無料で利用できます。
今回ご紹介した2つのイベントも、未就学児はもちろん無料。大人の保護者の入館料のみで楽しめるので、気軽に利用できますね!
小さい頃から美術館に慣れ親しむことで、豊かな感性はもちろん、美術品に対する尊敬の念や配慮、公共の場でのマナーも体験しながら、身につけることができます。
植野記念美術館では今後も絵本や木のおもちゃを通して、気軽に美術館を楽しめるイベントを企画中。いつでも楽しめる「おりがみのへや」もありますよ。
こどもの自由な感性を広げるためにも、もっと気軽に美術館通いを始めてみてはいかがでしょうか?