
子どもを連れて行ける市内のスポットの紹介をはじめ、子育て支援施設などもご案内します。
豊かな自然に囲まれたいちじまこども園。
当園を語る上で外せないのはムッレ教育。スウェーデンの環境教育プログラムである「森のムッレ教室」「クニュータナ教室」などを取り入れ、遊びながら自然への理解が深まるように工夫されています。
「ムッレ」とは森の妖精のこと。その語源はスウェーデン語で「土壌」を意味するところから来ており、ムッレは子どもと自然の橋渡しをしています。ムッレからのメッセージを通じて自然への興味、関心、環境へ配慮する心、生命の尊重などを学んでいきます。
これは自然環境に恵まれた当園ならではの特徴のひとつです。
さらに「食育」にも力を入れており、園の横には立派な畑が広がります。こちらは地域住民による「元気クラブ」の協力を得て、20種類程の野菜を育てています。
子どもたちも、種や苗の植え付けから始まり、収穫、調理までを経験。味付けはほんの少しの塩や醤油のみ。野菜本来の味を堪能できるため、その味に驚く子どもも多いとか。自分たちで育てた野菜には愛着をもつため、家では食べない子どもも、この時ばかりは喜んで食べるそうです。
当園では日本ならではの行事や節目を大切にしており、園主催のイベントの中にも数多くの伝統行事が組み込まれています。
今回は毎年1月に行われる「どんど焼き」を取材しました。
「どんど焼き」とは、正月飾りなどをお焚き上げする伝統行事。近年では焚き火もままならない環境の中、園庭でのお焚き上げはなかなかレアな体験です。
まずは「元気クラブ」の方々にご協力をいただき、子どもたちへ向けて簡単な「どんど焼き講義」。
しめ縄や門松などを見せながら「これは何かわかるかな?」の質問に、子どもたちも元気に「見たことある!」「うちにあったよ」「知ってる!かどまつだよね!」と答えます。
お正月飾りの意味や、神様への感謝を込めて「どんど焼き」が行われることを説明しました。
それでは早速お焚き上げ…の前に、元気クラブ&園長先生によるコマ回しのご披露が!
子どもたちは身を乗り出して、勢いよく回るコマを見つめていました。実はこれも伝統的な恒例行事のひとつ。
現代では遊ぶ機会も少ない「コマ回し」や「けん玉」を目の前で見ることで、子どもたちに「やってみたい」「自分にもできそう」という、やる気や意欲を掻き立てるのだそうです。実際にあちこちから「やりたーい」という声が聞こえてきました。
そしていよいよメインの「どんど焼き」へ!
ここでは正月飾りのほかに、本人が書いた書き初めを燃やします。年少さんたちは絵を、年長さんたちは目標を書き、それを先生方が一枚ずつ、焚き火におさめていきます。
火がついた途端、あっという間に灰になり舞い上がります。高く上がれば上がるほど願いが叶うと言われているので、「もっと上がれー!」「どんどん上がれー!」とみんなで元気に声かけ。
この日は寒いながらも天気に恵まれ、灰や煙もまっすぐ上に登っていきました。きっとみんなの願いも聞き届けられたことでしょう。